日本オランウータンリサーチセンター

ダナムバレイ森林保護区について

ダナムバレイ森林保護区はどこにあるの?

ダナムバレイ森林保護区は、ボルネオ島北部のマレーシア国領のサバ州にあります。
私たちは、2004年からこの場所で野生オランウータンの調査研究を続けています。

 

 

 

 

日本からは

 

日本→コタキナバル
(飛行機で6時間)

 

コタキナバル→ラハダツ
(小さな飛行機で1時間)

 

ラハダツ→ダナムバレイ森林保護区
(車で未舗装路を3時間)

 

で到着します。


 

ダナムバレイ森林保護区 /概要

 

場所:ボルネオ島北部のマレーシア国領サバ州
面積: 438 km2
植生: 低地フタバガキ混合林 (原生林)
標高: 231〜917m
サバ財団が伐採権を持つ広大な森林地域の一部
1963年から保護されていて、一度も伐採が行われていない

 

ダナムバレイ森林保護区は、セガマ川の上流部に広がる熱帯雨林でフタバガキ科という種類の木が数多くみられます。
標高は保護区のほとんどは700m以下ですが、中心地のダナム山周辺では若干標高が高くなっています。
降水量は年間3000mm近くあり、東京のほぼ2倍です。
気温は一年中、28℃前後で一定です。

 


ダナムバレイの森。豊かな植物相と動物相が残る貴重な場所。

 

サバ財団とオランウータン

サバ州の現状についてご説明します。

 

ダナムバレイ森林保護区はサバ財団という半民半官の組織が管轄している地区です。
そのため、サバ財団とサバ州のオランウータン保護調査は密接な関係にあります。

 

 

上の図はサバ州のオランウータンの分布を表したものです。

 

番号はそれぞれの保護区や森林区分を示しています。 特に濃い緑色の地域が1500頭以上の個体が生息している森林です。 2003年の調査の結果、サバ州全体のオランウータンの生息数は約1万1千頭と推定されています。

 

この11、16、9の森林区分は、サバ財団という州の半官半民の組織が管轄している地域で、大部分が商業伐採地域に指定されています。 しかしこの地域の多数のオランウータンが生息し、まだまとまった形で森林が残っていることから、2004年に発行された、IUCNによるオランウータンの保護政策に関する報告書の中でも、ボルネオ島内で今後保護すべき最重要の森林のひとつにあげられています。 サバ財団はダナムバレイなどすでに保護区にしている地域は現状のまま維持する一方、保護区以外は伐採や植林、農地開発を続ける意向です。

 

そして、私たちの調査地は、まさにこの森の中にあります。 私たちの調査研究が、直接この地域の森林保護に活かされるかどうかは難しいところですが、何らかの貢献ができること目指して、調査を行っています。

 


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