ダナムバレイレポート〜2018年9月(田島)
2018年9月
理事の田島がダナムバレイ(ボルネオ島)で調査研究活動を行いました。
2018年9月8日
田島です。ダナムバレイで現在調査中です。
↑観察中の調査助手ピオ。
今日はベスとロムの親子を観察できました。8歳になるオスのロムは、母が離れるとすぐにピーピーとないて呼び止めようとします。
母のベスも、そんな我が子を待ってあげていました。ロムの独り立ちはもう少し先のようです。明日はまた別のオランウータンを探して森を歩きます!また見つかれば報告します。
本日観察したロム(オス8歳)の写真です。
中央に写っています。わかりますでしょうか?
2018年9月9日
ダナムバレイ滞在中の田島です。
↑オランウータンにズーム
今日は川岸の35mある木の上でお食事中のフランジ雄、ソンに会いました。写真のどこにオランウータンがいるかわかりますか?体重80キロは超える巨体で軽々と登っていきました。
オランウータンのソンが目の前で排泄したので、田島はDNA解析用の糞サンプルを、助手のピオはホルモン解析用の尿を採取できました!排泄物は私たちにとって大事なサンプルです。「尿が少しかかっちゃった、手を洗わなきゃ」と笑うピオ氏。
2018年9月11日
今朝はゴテンというフランジ雄を見つけました。ゴテンは40メートルほどの木の上から、ある一方を見つめながらロングコールと呼ばれる鳴き声を上げました。一昨日、私たちが別の雄、ソンを発見した方向でした。ライバルどうし火花が散る瞬間だったのかもしれません。
2018年9月12日【研究者の朝は早い】
朝から夕方までゴテンを追跡しました。オランウータンが起きるのは朝の6時頃、私たちは4時半に起きて支度をします。
出発は5時半!
助手も夜明け前からマジメに働き、記録をとっています。
2018年9月13日
今日はお休みでしたが、助手のPeoは昨日オランウータンが食べた植物の種類を調べる作業をしてました。地道な作業ですが、オランウータンの基礎的な暮らしを明らかにするために大事な作業です。
2018年9月14日【番外編 森の美容師さん】
ダナムバレイの職員に散髪してもらいました。
家族が経営するヘアサロンで腕を磨いた彼、手つきはプロです。助手もまとめて切ってもらいました。料金はなんと150円!外はスコールです。
(写真を見た方々から目つきが悪いよ!とツッコミをうけましたが、これは顔を下向けてと言われている中で撮ったせいなのですヨ!)
2018年9月15日
マレーシア人の旅行ジャーナリスト、Farah氏がダナムバレイに取材に来られ、久世と田島が応じました。なぜオランウータンの基礎的な研究が重要か、日本人のあなた方がマレーシアでオランウータンを研究する動機は何ですか?など熱心に1時間ほど質問を受けました。最後には、オランウータンの現状をもっとマレーシア人に伝えたいと仰ってくださいました。
2018年9月16日
7月に実をつけた大きな木、地元ではポコアサム(すっぱい木)と呼ばれます。名前の通り、果実はすっぱい味がします。
オランウータンの好物のこの果実ももう底を突きかけているからか、なかなかオランウータンが見つかりづらくなってきました。
2018年9月18日
調査を無事に終え、ダナムバレイから出てきました。
道中、無線機から「あー、××号車、前方の路上にゾウがいる!注意せよ!」と告げられ、緊張とワクワクが高まる車内。残念ながら、姿を見ることはできませんでしたが、最後までダナムバレイに残された自然の豊かさを感じました。
いつもご支援ありがとうございます。これより帰国の途につきます。(田島)
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ダナムバレイでの研究を支えている3名の助手たちは、皆様のご支援により雇用しております。
(https://japangiving.jp/campaigns/5309)