日本オランウータンリサーチセンター

活動報告2017年8月

REPORT FROM ダナムバレイ

2017年8月2日〜24日、
事務局長の久世がダナムバレイ(ボルネオ島)で調査研究活動を行いました。

 

現地より、フェイスブックへリアルタイムな情報を発信していました。
あらためて、こちらへまとめましたので、ぜひご覧ください。

8月8日

例年、8月は一年のうちで一番果実が豊富な時期ですが、今年はほとんど果実が実っていません。森を歩いても林床に落ちている果実がほとんどありません。
果実が少ないとオランウータンを発見しずらくなりますが、ここ3日、オランウータンを追跡できていません。

 

 

果実の少ない林床の様子

8月8日夜

今日の夕方、若い雄のカイが調査小屋の近くでベッドを作りました。今夜は夜間観察に初挑戦します!最近雨が多いので、朝まで観察できるかわかりませんが、できるだけ頑張ります!

 

 

初の夜間観察に挑みます!(準備する調査助手)

 

8月9日朝

夜間観察、無事終了しました!
オランウータンがベッドを作ってから、翌朝ベッドから出てくるまで、初めて連続観察しました。
約15mの高さにカイが作ったベッドを、下から観察したので、カイの姿は全く見えませんでした。
しかし、2分おきぐらいにベッドが少し揺れたり(身じろぎした?)、1時間に1〜2回、ベッドが大きく揺れる(寝返りをうった?)のを観察できました。
こうしたデータを積み重ねていくことで、性や年齢、天候等によって違いがあるのか、等を調べることができるかもしれません。
引きき続き、より良い条件で観察できるよう、頑張ります!

 

 

今回夜間観察もした個体、カイ。

 

8月10日

今日はロッジの周辺で夜間観察した若雄のカイを追跡中。樹皮やイチジクの未熟な実を食べています。

 

 

8月11日

今日は早朝、ネストから若雄のアチョを追跡中。ロッジのそばです。

 

 

8月12日

8月に入ってから毎日、まるで雨季のように雨が降っています(もともと、3〜10月は乾季で、比較的雨が少ない時季ですが、スコールは珍しくありません)。
おかげでせっかく見つけたオランウータンも見失う日々…
昨日も午後に見失い、今朝も朝から探しましたが見つからず…夕方から再チャレンジです!

 

 

8月13日

今日は幸先よく、朝のうちに母子(ヤンティとセリー)が見つかりました。
メンガリスの巨木(樹高およそ70m)の樹皮を食べていました。
キャノピーウォークから、昨日ヤンティが作った真新しいネストが見え(写真)、「昨日の夕方のうちに見つけていれば、最高のロケーションで夜間観察が出来たのに!」と調査助手達と悔しがった一幕も。
今日は珍しく、午後が小雨だったので、ネストを作るまで観察できるかも!?

 

 

キャノピーウォークから見えた真新しいネスト。

 

8月14日

今日は植物サンプルの同定(種名を調べる)為に、調査地から車で45分ほど離れた場所にある、ダナムバレイ・フィールドセンターへ。調査中に撮影した木の写真を見せながら、とってきたサンプル(オランウータンの食物)を、フィールドセンターの植物の専門家に同定してもらいました。

 

 

8月17日

昨日(16日)はネストから追跡していたフランジ雄(マイク)を朝方見失ってしまうものの、2時間後に再発見!道路脇の低木の果実(現地名:mari-mari)を食べていました。マイクは食べやすいように木自体を倒して食べていました(写真)。
この果実は熟すと甘いですが、ヒトが食べると唇のあたりがヒリヒリした感じになるので、食用にはなりません。
この後、午後に激しいスコールがありましたが、調査助手達の奮闘で、ネストを作るところまで、追跡することができました。

 

 

8月19日

昨夜は夜になってから、キャノピーウォーク付近でオランウータンがネストを作ったという情報が入り、夜20時から夜間観察を開始。
残念ながら情報の確認不足や機材の不調で思うように観察はできませんでしたが、朝、ネストから若い雌のオランウータンが出てくる姿を撮影することができました。
今回の経験を9月以降の夜間観察にいかしたいと思います。

 

 

8月21日

ダナムバレイを離れ、コタキナバルに向かいました

 

8月24日

すべての予定を終え帰国しました。

 

皆さんのご支援のおかげで、貴重な観察を行うことができました。ありがとうございます!
後日、簡単なレポート公式サイトに掲載予定です。
また、昨年、クラウドファンディングでご支援いただいた皆さんには、別途、報告書(PDF)をお送りします。

 

今後ともご支援のほど、よろしくお願い致します!


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